★運転用の遠近両用メガネ関連のご質問-中近両用メガネでの運転はおやめ下さい。-

(補足)お客様のご質問への回答編 (回答編の目次は、ココをクリック。)


(14)【 運転用の遠近両用メガネ 関連のご質問 】 – まとめ –


( はじめに )

 遠近両用メガネで車の運転について、様々なご質問を頂きます。

 「どうやって書いたら見やすいか?」を色々と考えたのですが、

 説明内容が個別になり、一貫性が保たれないので、
 シンプルに、「個別Q&A」の表にまとめるのが一番との結論に至りました。


 参考になる物があれば幸いです。

Q1:
  ドクターや友人から、遠近両用メガネで運転は出来ないと言われた。
  本当にそうなの?

A1:
  ご質問者御本人にお確かめ頂きたいのは、
  そう仰ったユーザー様やドクター自身が、遠近両用メガネを使いこなせない、
  または慣れなかった方ではないでしょうか?

  大変恐縮ですが、運転出来るかどうかは個人(差)の問題です。
  [ 遠近両用メガネ自体に慣れるかどうか? ]と同じ考え方です。


  なお、折角、御本人に適性があっても、眼鏡のせいで使えないこともあります。
  メガネは道具ですから、装用者が使いやすいように作った方がより良いです。

  [ 度数測定 ]や[ 度数決定 ]や[ レイアウト ]/[ フィッティング ]で、
  遠近両用眼鏡の使い勝手は、大きく変わってきます。

  ですから、作るお店やスタッフをきちんと選んで、お作り下さい。

  中には、普段使っている遠近両用眼鏡と車の運転用で、「度数やレイアウトを工夫して」、
  とても便利に使われるお客様もいらっしゃいますよ。 (*´ω`)

 

Q2:
車の運転に遠近両用眼鏡を聞くけど、その他の特殊な乗り物でも使えるの?

A2:
  [ 航空機のパイロット ]・[ 船舶の操舵手 ]・[ 鉄道の運転手 ]の方もお使いになります。
  計器類を見るために必要ですから、むしろ使わないと仕事にならない方も…。 (^-^)

  昔は、窓付き遠近両用(二重焦点)タイプで、上下に小窓(近用部)が2つあるものもあり、
  レンズメーカーや現場の眼鏡屋の色々な工夫の元、眼鏡をお使いの方がいらっしゃいます。


  (A1)でもお答えしましたが、「用途に適した眼鏡」で「装用者の適性」があって、
  眼鏡製作者が「お客様に寄り添ったカスタマイズ」でお助けできれば、
  より可能性は広がると思います。

 

Q3:
車の運転で使えない理由・問題を書いている人もいるけど、その原因は何?

[ 回答の前提条件 ] : 以下の原因の排除

◆ お客様に「累進レンズに対する適性」がない。
◆ 製作度数が合っていない。またはお客様用にカスタマイズされていない。
◆ レイアウト・フィッティングの不良。

~ 言い換えれば、[ 装用者(お客様)と眼鏡の両方に問題がない ]ことが前提。
 では、いくつか事例を下に記します。


A3:
  2つケースを掲載。推測される原因の一部を記載


左のサイドミラーが見えにくい

→ 右ミラーは顔が向き易いので見やすく、左ミラーは遠い為、意識的に見ないと見づらいです。
 そして、左だけ見えにくい人は、明らかに横目で見ているのが原因の1つ。

 教習所で習った通り、顔をしっかり向けて、ミラー確認して下さい。


バックが見辛い。(バックモニターが無い車)
  
 バックをするときに、運転席から振返って動作をする場合に起こる現象。

→ 横目気味になっているために、見づらくなります。
  助手席にシートに左手をかけて、より顔を後ろ側に固定しやすよう、工夫して下さい。


☆彡 いずれの場合も、停車もしくは駐車した状態で上記動作を確認・練習をし、
  問題なく、完璧にできるようしてから、運転して下さい。(^-^)

  この他の遠近両用眼鏡の具体的な慣らし方は、ココをクリックしてご覧下さい。

 

Q4:
車の運転免許更新の時に、どんな眼鏡を掛けて行けば良いの?

A4:
  運転免許の交付を受けられる視力が得られる眼鏡を、掛けていきましよう。
  警視庁のHP(2014/08/17表示)をそのまま引用すると、以下の通りです。

 - – – – – – – – 以下 引用 始め- – – – – – – – – – – – –

  [ 適性試験の視力の合格基準 ]
 
(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/tekisei/tekisei03.htmより)

  原付免許、小型特殊免許の視力の合格基準は、両眼で0.5以上、
  又は一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上です。

  普通第一種免許、中型第一種免許(8t限定中型)、
  二輪免許、大型特殊免許の視力の合格基準は、両眼で0.7以上、

  かつ、一眼でそれぞれ0.3以上、又は一眼の視力が0.3に満たない方、
  若しくは一眼が見えない方については、

  他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上です。
 
  大型第一種免許、中型第一種免許(限定なし)やけん引免許、
  第二種免許の視力の合格基準は、両眼で0.8以上で、
  かつ、一眼がそれぞれ0.5以上。

  さらに、深視力として、三桿(さんかん)法の奥行知覚検査器により
  3回検査した平均誤差が2センチ以内です。
 

※運転免許更新時には、適性検査を行いますが、
 視力がそれぞれの免許種別により異なり、基準に達していない場合は、
 眼鏡等により矯正することができます。

※大型免許、中型免許や第二種免許の方、普通一種や自動二輪の方が
 上記基準に基準に達していない場合は、
 下位免許にあたる基準に達した普通一種や原付免許等を交付することになります。

 - – – – – – – -以上 引用 終わり – – – – – – – – – – – – –

《道路交通法施行規則 第23条 適性試験》を検索、お読みください。

 遠近両用眼鏡であろうが、疲労軽減型の眼鏡であろうが、遠く専用眼鏡であろうが、
 これらの適性試験の要件をクリア、安全運転のできる眼鏡をお持ちになって下さい。

 適正・適法な視力の出る眼鏡で、安全運転を心が掛けましょう。 (*’ω’*)

 

Q5:
  レンズメーカーが、中近両用メガネを運転用には勧めていません。
  眼鏡屋さんとしてはどう思いますか?

A5:
  まず[ 中近両用メガネレンズ ]の基礎知識を。

  総称は「中近両用」ですが、実際は(少しだけ)「遠く用の度数」も存在するレンズです。
  ただ、「遠近両用」に比べて、「遠く用度数の面積が少ない」のが特徴です。

「各種の遠近両用メガネ」と「中近両用眼鏡」の違いを、
「イメージ画像」を自作しました。ご覧下さい。
   

   

  水色:遠用度数 / 黄色:中間度数 / 赤色:近用度数。  “○”は、「目」を表します。
  レイアウトは、HOYA Vision ケアのHPを参考にしています。


  大体のメーカーで「運転時に適法・適正な視力」が得られ、「無理なく使いこなせる」事を前提に、
通常の遠近両用」や「中近重視タイプの遠近両用」を 運転用にも使える旨を表示しています。

  両者イメージ画像の「目」の前には、「遠用度数」または「殆ど遠用度数と同じ中間度数」が存在。
  多くの人が「適法・適正な視力が得られやすい」ことを容易に想像できます。

  -ただ例外の可能性は排除できないので、お客様毎にご自身で適性な視力の確認が必要です。-


  これに対し、「通常の中近両用」イメージ画像では「中間用度数が眼前遠用度数は上方」に設計。
  明らかに「その他2つの遠近両用より 遠くが見えにくい」レイアウトになります。

  加えて、もし上下幅の狭い眼鏡に加工すると「遠用度数がより少ない、または無い」状態になり、
  まさに「部屋の中を見るのには、十分な視力」に留まる可能性もあります。


  これらの点を踏まえて、遠近両用レンズの方がより運転に向いているため、
  「メーカーが、中近両用レンズでの運転用とご案内することはない」と、

  眼鏡製作者として考えています。

  –  資料用写真で、遠/中/近の度数分布を比べて頂ければ、ご納得頂けると存じます。-

 

Q6:
  でも、中近両用メガネで運転なさっている方がいるのはどうして?

A6:
  ご持参眼鏡で両眼でぎりぎり0.7。近くも遠くも見え辛くて、
  当店で中近両用眼鏡を製作したお客様のお渡し時の会話。


「遠くも今までより見える(0.9位)し、近くもバッチリ。」と御満足。
「これの方が遠くが見えるから、より安心して運転できるね。」
  と笑顔で言われた時は複雑でした。(;ω)


メーカーは、運転用を念頭に設計していません運転でのご使用はお止め下さい。」
  さらに「私も『メーカー推奨しない使い方を推奨できません』」と改めてご説明しました。


  これに対して、お客様の反論。
  「免許がとれる、ちゃんとした見え方(視力)が得られるから、何の(法的)問題ない。」
  「むしろ、今の眼鏡(0.7ギリギリ)よりも、中近両用の方が、明らかに(0.9位)よく見える。」

   「より安全で快適に運転できる眼鏡が良いのでは?(メーカー・眼鏡屋の)立場も分かるけど。」
  (私)「ご高察痛み入ります。」と大人の会話をしたこともございます。 (;´・ω・)
 
 
 ~でも、度数変化がしてあるレンズなので、全面が0.9ではなく、
 使用中の0.7の眼鏡より見えない部分がありますので、
 ご注意申し上げて、ご了承いただきました。ハイ(;’∀’)


【 当該お客様の状況説明 】

  このお客様は、弱めの眼鏡を掛けていた為、下の写真の状況に類似していたと思います。

 

上記のお客様の場合、
全部が0.7より、左図のように、

中近両用であっても、
上半分近くが0.7~0.9になる感じです。


  お客様の「単焦点眼鏡よりも、中近両用メガネの方が良く見える」と仰るのは、
  今まで「弱めの眼鏡を掛けていた方」だからこそ。

  私も全くその通りだと思います。(^-^) 

  私の経験では「『遠近両用』と『中近両用』の見え方の違いの区別がつかない方」や、
  「その差を微妙、又は不都合を感じるほどでない方」が、

  中近両用眼鏡で運転されやすいようとする傾向があると感じます。


  適法かつ安全に、上手く使っている方は、現に存在するでしょうし、
  私は存在の可能性を否定致しません。

  かといって、メーカーが推奨していない以上、
  それを加工する眼鏡製作者としては、推奨はできません。

  – 難しい部分ですが、御理解頂ければと存じます。-



  ただ、どうして運転できるという人がいるのか?⇒(私物の中近両用眼鏡を例にご説明)

  加えて、中近両用メガネで遠方が見えていると仰っても、
  遠近両用よりも見え方が限定されることを記したいと思います。


【 中近両用メガネの各部での両眼 遠用視力の例 】 – 私の場合 –

   
   
  私は左右とも遠視で、ほぼ完全矯正で作成。(両眼での最高視力:1.2、製作加入度数:+1.50)

  青丸の遠用部分と橙丸の近用部分で視力測定すると、
  累進帯長に関係なく、両眼視力は「1.2」と「0.2」で同じ。

  眼前の部分では、「0.9」と「1.0」で微妙に、両眼の矯正視力が異なります。
  ※ハッキリ見えるのではなく、認識できるといった感じです。


  この時の矯正視力を数値だけで判断すると、免許更新が楽々クリアする状態ですが、
  中近両用メガネでの「1.2」の視力より、遠近両用での「1.2」の方がスッキリ見えます。

  さらに具体的に言えば、「1.2」が見える範囲もピンポイントになります。



【 遠近より中近両用メガネの遠方の見え方が限定される具体的説明 】

  私が「遠近両用」と「中近両用」の其々の眼鏡で、渋滞の中の1台を中心に見た時、
  「1.2」の見え方になる面積をイメージ化しました。
   




  目は小刻みに動いて視野を広げるので、実際はもう少し広がりますが、
  それでも水平方向の見える「1.2」の範囲が、遠近両用レンズの方が広いです。

  もちろん中近両用の黄色の枠より外は、「1.2」以下の視力で見えています。
  でも、面積的に狭くなるのはご理解頂けたと思います。
   

  加えて、注意して頂きたいのは、

「遠方矯正の最高視力があまりでない方」や「中近距離に特化した度数設定をした方」等では、

☆元の遠方矯正視力が低い(例:0.7)ので、眼前部分の矯正視力はより低くなり(例:0.5)、
 そもそもの適法(0.7)状態の視力を得られなくなる場合もあります。

  これら以外の理由でも、十分な遠方視力が得られない可能性があるので、
  メーカーも運転用に推奨しないのではないでしょうか?


  眼鏡レンズはその目的ごとに設計に特徴があります。

中近両用レンズは、中間距離の仕事に特化した設計 』のレンズです。 (^-^)
中近両用レンズは、元々、運転用に設計されていない 』ので勧められません。

  運転は用途にあった、『 適法・かつ安全に運転できるメガネ 』を、私は推奨致します。

 

 

 

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